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2018年6月2日土曜日

アドリブとは(哲学)


村上春樹の『意味がなければスイングはない』を読んだ。

あらかじめ書いておくけれど僕は30年近く前からの村上主義者であって、彼の本には随分助けられてきたし、精神的に影響も受けてきた。彼の著作があったおかげで僕の人生は少しだけ楽になったのは事実だ。感謝しかない。そんな僕が書くんだけれど。

この本は全然ダメ。(あっさり)

というか、村上春樹が音楽について書いたエッセイは基本的に全てダメ。あれはファンタジー。音楽評ではない(断言)

この人のロックとジャズの好みは「コテコテ&ベッタベタやないかい」世界から一歩も出ていない。キース・ジャレットを「胡散臭い」、チック・コリアを「退屈だ」と一蹴してる時点で完全に化けの皮が剥がれてる。ちょっとでもスイング・初期ビバップから離れると理解できないらしい。シダー・ウォルトンをやたら推してるのも(そりゃ悪くないピアニストだとは思うが)むべなるかな。ウィントン・マルサリスに対する態度なんかヒドイもんでね。ま、僕もマルサリスは強いて聴かないけどね。

ジャズについて書くのはいいとして、悪口を書いちゃダメだろう。キースですらウィントンを批判する権利はないと思う。マイルズにはあったかもしれない。でも、マイルズはウィントンを気に掛けていたらしい。(by 小川隆夫

逆に、悪口さえ書かなきゃ結構好き勝手書いていいんだな。ということを、僕は村上春樹のエッセイから学んでしまったのである。

ということで僕なりにアドリブについて考えてみたことを書く。
ピアニストを念頭に書いてるけど、どの楽器でも当てはまると思う。

アドリブにはざっと4種類ある。

1.1小節前 〜 直前に思い付いたフレーズ。奏者は頭真っ白状態である。

2.2、3小節前に思い付いたフレーズ。奏者には結構余裕がある。

3.そのコーラスが始まってから思い付いたフレーズ。いわゆるストックフレーズがほとんどだ。

4.アドリブが始まる前に決めているフレーズ。これも当然ストックフレーズ。

4になると「そもそもそれをアドリブと言えるのか?」と言いたくなるかもしれないけれど、わりと名盤・名演にもタイプ4は多い(はずだ)。すぐ思いつくのはMilesのRound Midnight は Bye Bye Blackbird、レッド・ガーランドのソロの2コーラス目。


これ、完全に仕込みである。五千円賭けてもいい。

仕込みだからイカン、という訳でもない。もちろん。仕込み感を感じさせずにさらっと出すのも芸のうち。

あるいはBill Evans。


この人の全盛期の曲は(もちろん曲にもよるけれど)、ワンコーラス目はかなり仕込んで完成度高く、ツーコーラス目はある程度を仕込みつつわりと自由に、スリーコーラス目ははっちゃけて。というパターンが多いと思う。全体的に「神ってる」感を醸してるのがすごい。

僕の感覚では「1」でちゃんと勝負になってるのがキース。次点、ビル・エヴァンス、ハービー、ブラッド・メルドー。バド・パウェルは惜しいなあ、なんか違うんだよな。

「1」「2」で勝負してる準A級、Bの上級が多い。

「2」「3」でもスゴイのが、モンクだ。

この区分ではジャズ・ミュージシャンの格付けをすることは難しいけれど、気合いが入った曲かどうかは分かると思う。

力尽きたのでおしまい。

2018年3月16日金曜日

山下洋輔『[新編]風雲ジャズ帖』(平凡社ライブラリー)


今週末はジャムセッションだ。大丈夫かな(笑)

練習に自信を失っているのは春が近づいたからか、それともジャムセッション練習が近づいたからか。

僕にとって春は憂鬱な季節だ。

昔の恋人との悲しい別れを思い出すからだ。というのは嘘。そんなシャレた記憶があるわけじゃない。ただ単に毎年憂鬱になる。プレ五月病みたいなものだろう。気候が生ぬるくなった。ああまた春が来たか・・・なんて暗い気分になるわけ。我ながら不思議なもんだ。

さてさて気を取り直していこう。本日やらかした仕事のミスは何とかリカバったし(同僚のチェック結果も「問題なさそうですね」)何はともあれ二週間は練習はしてきたんだから、二週間前より今の方が上手くなっているのは客観的事実なのだ!(なのだ!)

本日は「The Unique Thelonious Monk」を聴きながらの更新だ。


山下洋輔の「風雲ジャズ帖」。読みながら記憶が蘇った。昔、文庫で持って愛読していたのだ。何度も読み返したものだ。新潮文庫だったかな。

文章がパワフルでリズミカル。ジャズマン!って感じ。こんな文章、Webではまずお目にかかれない。読みながら、時代が違うよなあと思った。学生運動真っ盛りの時代かな。東京の殺伐とした雰囲気が伝わってくる。バカやったもの勝ちだったのかもしれない。粗にして野だが卑ではない、というやつか。なんとなく羨ましい気がした。それから当時の「フリージャズ」メンの破壊的な生活が垣間見えて面白い。山下洋輔は今どうしてるのかなとググってみたら、今も精力的に活動されているとのことでこれは嬉しい。そういえば学生時代、この人のソロコンサートに行ったなあ。ボレロは流石だった。ブツブツ。

ああ。何だか過去の記憶に囚われてしまって投稿の落とし前がつけられそうにない。よってこれにておしまいだ!

2018年2月3日土曜日

セッション仲間と月一で


去年の夏あたりだったかな。初心者OKのジャムセッションを終えて、そこで知り合った人たちと池袋駅に向かっていたら、色々話しているうちに一緒にスタジオで練習しましょうよ!ということになった。

僕としても、初心者OKのジャムセッションでも結構レベルが高い気がしていたから、もう少し気楽に練習したいよな、という思いがあった。渡りに船という感じ。多分相手(ウッドベースのPさんとドラムのOさん)も同じ理由だったと思う。

以来、月一くらいで池袋のスタジオに集まってBag's groove、枯葉、Fly me to the moonなどを、雑談しながら粛々と練習している。最初はお互いぎこちなく練習していたど、今は、・・・
えーと、やっぱりぎこちなく練習してるな(笑)
そりゃそうだ。半年くらいじゃ、それほど上達しない。

それにしても、初心者同士で練習できるのはありがたい。

超初心者OKジャムセッション!と謳ってあっても、当の超初心者にとっては登竜門なんだ。せっかく参加が許された場所で、パフォーマンスが出ないとすごく悔しい。緊張もする。もう少し気楽に練習できたらな、と思ってしまう。

いざ。初心者同士で練習してみたら、意外とそれほど気楽にはできなかったのは、嬉しい誤算だったかな。独りで練習とは違ういい意味の緊張感があるんだ。初心者同士、お互い遠慮がないのはいいね。俺を踏み台にして上手くなってくれ!みたいな。踏み台と言っても、冷静に自分を観察することも、バッキングしてるだけで自分の課題を思い知ることも出来るし。

そんなセッション練習を終えて、心地よい疲労とともにビールを飲みながら。



村上春樹のJazz本を読む。充実した土曜だったな、って思いながら。

買ったもの1